TTArtisan 35mm f/1.4 C レビュー 1万円を切る良レンズ

写真/カメラ

※この記事にはプロモーションが含まれています

銘匠工学「TTArtisan 35mm f/1.4 C」は1万円でお釣りがくる破格の価格でありながら、試してみるとすぐに魅力的な部分に気づくことができる良レンズです。しばらく使ってみて感じたことについて書いていきます。

レンズの仕様

TTArtisan は深センの光学メーカーから生まれたブランドとのことで、Leica向けのマニュアルレンズも販売しています。最近になって、ミラーレス向けの高コストパフォーマンスレンズも販売を開始したようですね。元々激安レンズメーカーという志向ではないようなので、製品の作りにも期待が持てます。

TTArtisan Official Website
TTArtisan was etablished in 2019,located in Shenzhen. As a young but with rich experience company, TTArtisan devotes itself to lens manufacturing, R&D and sales...
TTArtisan 35mm f/1.4 C
フォーカスMF(マニュアルフォーカス)
レンズ構成6群7枚
対応撮像画面サイズAPS-C
最短撮影距離0.28m
絞りF1.4-F16
絞り羽根10枚
フィルター径39mm
サイズΦ約56mm × 約50mm
質量約180g

マニュアルフォーカスレンズなので被写体を選びますが、最も魅力的なのは1.4というF値の明るさ。この価格でF値1.4というだけで、購入の理由になるかと思います。FUJIFILM X-T4で使用しているのでクラシック系のデザインもマッチし、小型・軽量なので取り回しも非常にし易いです。気軽にカメラを手に取り、ピントをマニュアルで合わせてシャッターを切る、という動作が心地よい流れで行えます。

デザインと質感

先ほど書いたように、FUJIFILM X-T4のクラシックなデザインにもよく馴染みます。また、鏡筒も金属製でチープさはありません。マニュアルフォーカスレンズなので、フォーカスリングの操作感が重要なポイントですが、十分な指に当たる部分の幅と適度なトルク感があるので操作に問題はありません。滑り止めのローレット加工が、絞りリングと離れたところにあるという点も良いですね。したがってフォーカスリング操作時に絞りリングが一緒に動いてしまうということはありません。ただ、絞りリングはレンズの前方に用意されていてクリック感が軽めなので、カバンなどにしまっているときなどにF値が変わってしまうことがありますね。

レンズキャップも金属製でネジ式。1回転弱で付けはずしができるので、あまり面倒さは感じない。

マニュアルフォーカスでのカメラ設定

レンズに電子接点が無いため、カメラ側でレンズを認識してくれません。そのため「レンズなしレリーズ」の設定をONにする必要があります。あとはフォーカスモードをマニュアルにすれば撮影ができるようになるのですが、筆者はマニュアルフォーカスをアシストしてくれる機能をONにして撮影しています。参考までに、FUJIFILM X-T4で使いやすかった設定をご紹介しますね。

「フォーカス設定」→「MFアシスト」→「フォーカスピーキング」を「青色(強)」に設定
※FUJIFILM X-T4にて

フォーカスが合っている部分の色が変わるので、どこにピントが合っているか掴みやすいです。厳密に合わせる場合は拡大表示などの設定も可能ですが、全体を常に見ながらテンポよく撮影したいので、この設定が今のところ一番しっくりきています。色もいくつか選ぶことができて青色もしくは赤色が見やすく感じましたが、このあたりは撮影する環境と好みもありますね。

ピントリングを動かすと色表示されるピント面が移動するので、ピントが合うポイント前後でリングを動かすと、ピントが合っている部分がより感覚的にも把握しやすくなります。F値を1.4に設定している場合はピントが合う範囲がかなり狭くシビアですが、このあたりが撮影していて楽しい部分でもありますね。

TTArtisan 35mm f/1.4 C で撮影した写真

F1.4開放で撮影した写真をいくつかチョイスしてみました。すべてふとしたときに撮影したスナップ感覚のものですが、やはりF1.4によるボケ感のおかげで雰囲気が出ていますよね。すべて撮って出しのjpegで、フィルムシミュレーションはPROVIA/クラシッククロームあたりになっているはずです。

解像度が甘い部分もあって色収差も出やすいのですが、ボケみもなだらかで周辺光量の低下も50mmという画角であればビネット効果としてありな範囲です。何より、この価格でこれだけ写るということを考えると、十分に楽しめるレンズになっていると思います。

万人受けしない仕様だけど試しに買っても後悔しないレンズ

作り、操作感など全体的に満足していますが、マニュアルフォーカスレンズなので被写体を選ぶこと、また動画撮影が非常にシビアになってしまうことは万人受けしない要素になります。また、電子接点がなく後から撮影時の設定が記録されないという点も、EXIFで写真を管理している方にはデメリットになりますよね。

マニュアルフォーカスに興味がある、写真を撮るという行為を楽しみたい、ボケみのある写真を撮ってみたい、という方は試しに買ってみても後悔しないレンズです。その後、明るいレンズのボケ具合にハマったら純正のF1.4オートフォーカスレンズにアップグレードするのもありですね。筆者は完全にその形でFUJIFILM XF33mm F1.4を購入しました。価格差は10倍以上ありますが、サイズ感や甘めの写りなどTTArtisan 35mm f/1.4 Cにしかない魅力もあるので今のところはこちらのレンズも手放さずに持っています。今はサブ機になっているX-T2に着けているので、これからも使っていこうと思います。

FUJIFILM XF33mm F1.4を購入した時の記事はこちら
XF33mmF1.4 R LM WR 写真を撮りたくなるレンズ
FUJIFILMの魔法のレンズと言えば、「XF35mmF1.4 R」(以下35mm1.4と表記)ですよね。その神話を引き継ぐとされる「XF33mmF1.4 R LM WR」(以下、33mm1.4と表記)の標準単焦点レンズを使い始めたので、...

コメント

タイトルとURLをコピーしました